
プライベートと仕事で使っている銀行の口座数が多すぎるので、断捨離したいなと思い始めました。
理由は全ての銀行口座の状況をすぐに把握できないからです。
・今日のあなたの貯金残高(現金)はいくらありますか?
・今日のあなたの株式や債券などの金融資産残高はいくらありますか?
それらの質問に私はすぐ答えることができません。そして「今日」も答えられないですが、「今月」ですら答えられないことに気づいたのです。
断捨離で物を減らすメリットの1つに、物の位置や状態を把握できている、ということがあると思います。
私は断捨離で「物」を減らすということに注目しすぎていました。
しかし断捨離は「物」でなくてもできるのです。日々の習慣だったり、人間関係だったりも断捨離可能です。
それに全く意識を向けていなかった私は、今まで銀行口座を断捨離しようなどとは思ったことがありませんでした。しかし「銀行の断捨離」と一度考え始めると、「これは必要だな」と何の抵抗もなく「必要だ」とスッと心に響くのです。
そして頭で考えても、お金もまとめて管理した方が色々な手間が省けるな、と思えたのです。
昔は口座はたくさん必要だと思っていた
実は以前の私は銀行口座はたくさん必要だと思っていました。
昔読んだ本に「目的別に銀行口座を使い分ける」という考え方が載っていたのです。本の題名は忘れてしまったのですが、「生活費用」「貯金用」「いざという時の資金」「住宅資金」などいろいろと理由をつけては口座を分けたほうがお金が貯められると書いてありました。
その本を読んでから私は、何となく口座を分けるようになりました。
口座を分けるようになると、口座がたくさんあるせいで、
・Aというクレジットカードの引き落としはB銀行で
・Cというクレジットカードの引き落としはD銀行で
・国民年金の引き落としはD銀行で
・この収入はE銀行に入る
など、年月を経過すればするほどぐちゃぐちゃになってきたのです。
その結果、「今現金はいくらあるのですか?」と聞かれてすぐに答えることができません。
帳簿と銀行の通帳、WEB明細などを見ないと答えられません。
おそらく記憶と現実の残高の誤差は数万円では済まないレベルだと思います。
銀行の口座は数えてみたら7つもありました。もちろんビジネス用とプライベート用で銀行口座を分けてはいます。それにしても7つも銀行口座が必要かと言われれば、なくても何とかなるとしか思えないのです。
お金を直視する恐怖
しかし、銀行口座を断捨離して1つか2つにしようと考えたとき、なんとも言いようのない恐怖が私の心に芽生えました。
そして銀行を1つか2つに絞れない理由がたくさん頭の中に浮かんだのです。
・あの取引先への振り込みはB銀行でないと手数料がかかる
・駅の近くにATMがあるD銀行の口座を持っていないと不便
・国民年金や税金の引き落としはE銀行にしているから、今から変更するのは大変
私の中の恐怖が、私へ銀行口座を減らさせないように次々にアイデアを出してくるのです。
しかし銀行口座をこれだけ持っていて、しかも使い方もグチャグチャなのはやっぱり気持ち悪いですし、良くないです。
そこでふと、そもそもということを考えました。本の影響を受けたのがきっかけではありますが、その後も銀行口座を増やしたがっていた気持ちのそもそもの理由です。
そこで導き出した本当の自分の本音としては「お金を直視しなくて済むことへの安心感が欲しかったからだ」と思いました。
お金を直視するのってすごく辛いです。今あなたの資産は30万円ですよ!とはっきり見えるよりも、15万円、5万円、10万円と口座を分けて30万円持ってい方が、なんとなく全体の残高がわかりにくくて、自分のお金を直視せずに済んでいたように思います。
自分のお金を直視しないことが安心感につながっていたのではないかと思うのです。この安心感とは良い意味ではなく、見たくないものは見ないで済む、蓋をすることで感じるまやかしの安心です。
銀行が何かあった時のために分散して持っていた方がいいという意見もありますが、それはかなりお金が多い場合だと思います。
どの銀行も1000万円までは預金が担保されるようになっているので、1000万円を超えないうちは口座を分ける意味はないのです。
ミニマリストの銀行の数は?どの銀行が便利か
持っている銀行口座の数は、自分でビジネスをしていないサラリーマンの場合には1つか2つで良いと思います。
実際にミニマリストの方々を見ていると、1つか2つに絞ってる方が多いように思います。
ビジネスをしている場合には、もちろんビジネス用と個人用で分ける必要があります。
そしてどの銀行が良いかについては、ライフスタイルによって変わります。
日本国内から基本的にはほとんど出ないのであれば、
・ゆうちょ銀行
・大手ネット銀行(楽天銀行など)
の2つのどちらかでいいと思います。
ゆうちょ銀行は日本各地に支店やATMがあります。引き出すのも預け入れるのも、どの地域に行ったとしても一番便利です。そしておそらく日本の民間の銀行の中では一番潰れない銀行だとも思います。(民間の銀行と言っていいのかはわかりませんが)
2つ目にネット銀行をあげたのは、ネットでの管理ができて便利だからです。更にネットでの振り込みが大手の銀行や地方銀行に比べると安く、そしてコンビニなどのATMでの引き出しも月に数度までであれば無料のところが多いです。
日本の大手都市銀行や地方銀行は、正直に言えば自分が住んでいる地域以外では使えないのでかなり不便です。ネット対応も遅く、ネットサービスの質もネットの大手銀行に比べるとまだまだだと感じます。
海外へ良く行く場合にはまた別です。海外でお金のやり取りをしやすい銀行を選ぶ必要があります。
現金が1000万円を超えたら分散を考える
複数の銀行を持つのは、現金が1000万円を超えてからで良いと思います。
それまでは1つの銀行、または2つの銀行でお金の出入りを管理したいと思います。
1つの銀行で管理をしていれば、残高は一目でわかりますし手間も減ります。
そのために、
プライベート用で2つの銀行口座
ビジネス用で3つの銀行口座 (当座を含む)
と、銀行口座を整理することにしました。
銀行口座の断捨離はただ口座を捨てればいいというものではなく、振込先や引き落とし先の変更、入金先の変更など様々な手続きが必要になります。
断捨離の中でも中級者か上級者レベルだなと思うのです。
しかしこの機会に自分と向き合って、銀行口座を減らし、お金の管理にも時間がかからないように、そしてお金の現実から逃げないようにしていきたいと思います。