
断捨離、片付け、ミニマリストに興味がある方であれば、この本が売れているのはご存知かと思います。
本棚にも山積みにしてありますし、Amazonの売れている本ランキングでも上位に掲載されています。
タイトルを見て「え?そうなの?」「おしゃれなイメージがあるフランス人も10着しか服を持っていないの?」と思ってしまいました。
もしかしたら10着でもおしゃれに生活できるのかもしれない、そんな思いで「フランス人は10着しか服を持たない」をてにとりました。
今回はこの本のレビューと感想を紹介したいと思います。
フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質”を高める秘訣~
まずタイトルの「フランス人」という言葉が心にビビビッと響きます。
フランスに住んでみたい!パリに住んでみたい!
パリジェンヌへの憧れは10代の頃からずっとあります。フランス語を勉強した時期もありました。
「フランス人は10着しか服を持たない」では、アッパークラスのフランス人がどのように少ない服でも素敵に暮らしているかが紹介されています。
本の内容で気になった部分を纏めてみました。まずは動画をご覧ください。
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10着で着回すなんて無理じゃない?
フランス人は10着しか服を持っていないの?信じられない!と本の題名を見た時は正直思いました。もちろん現実には10着以上持っています。本を読めばわかりますが、よく考えれば当たり前のことです。
この10着には上着類、アクセサリー、靴、下着は含まないのです。つまり10着はいわゆるコートを除いた外側の上下のセットのことなのです。
そして、4シーズンごとに10着を見直してアイテムを入れ替えます。冬のセーターが夏の10着に入ることはありません。
つまり1シーズンで10着の服を着回すのです。
本の中には10着のワードローブの具体例も載っているので、自分の洋服に当てはめてイメージしやすいと思います。
秋・冬用の10着のワードローブ(例)
・カシミアのセータ−3枚(ベージュ、クリーム色、黒)
・シルクのブラウス3枚
・白のボタンダウンシャツ1枚
・濃紺またはダークグレーのウールのテーラードパンツ
・黒のウールのスカート
・黒のスキニーもしくはブーツカットのジーンズ
(「フランス人は10着しか服を持たない」 P.68より引用)
本には、春・夏用の10着のワードローブの例やマダム・シックのワードローブ例も載っています。今は夏ですが、秋・冬用のワードローブ例がわかりやすいと思ったので、例として引用しました。
そしてこの本では、フランスでは週に何度でも同じ洋服を着ることが当たり前と書いてあります。
一方、著者の出身地であるアメリカでは1週間に同じ服を着るなんてとんでもない、恥ずかしいというイメージだそうです。これは日本も似ていますよね。
「その服、この前も着ていたよね」と周りに指摘されるのが怖くて、週に何度も同じ洋服を着られない。
何度も同じ服を着てるなんて、不潔って思われないかな?洋服少なくて貧乏って思われないかな?センスないって思われないかな?友達減ったらどうしよう・・・。
と、10代の頃は特に妄想が負のスパイラルに突入していました。
できればお金をかけずにおしゃれに着まわしたいけれども、2週間くらいは同じ服を被らせずに回そうと思うと、お金が足りない!
という事態もよくありました。
家の中はいつも洋服でグチャグチャ。もちろん部屋が汚いので、友達も恋人も呼べない。洋服の手入れもしないから洋服はすぐに痛む。洋服の数を増やしたくて安物買いの銭失い。なんて負のループを何度経験したことか。
フランス人は誰でも週に何回も同じ服を着るので、自分が着ていても恥ずかしくないんだそうです。
同じ服を着てもいいなんて、ずぼらな私には夢のような場所です。フランスに住みたいな!とフランスへの憧れはますます強くなりました。
自分のスタイルを持つということ
もちろんこの本で紹介されているフランスのマダム達はズボラでもダサいわけでもありません。むしろオシャレで映画に出てくるようなアッパークラスの生活をしているのです。
この本に出てくるマダム達は自分のスタイルを持つことで、10着の服を違和感なく着まわします。
マダム一人一人の服にテーマがあるのです。
例えば、著者がホームステイしたファミリーのマダム・シックは定番のコンサバスタイル。カシミアのセーターにAラインスカートに靴はローヒールかフラット。
マダム・ボヘミアンヌはボヘミアンスタイル。シフォンのマキシスカートに7分丈袖かノースリーブが定番。
自分のスタイルを持つことで、洋服のイメージが統一されますから、少ない服でも違和感なく着回すことができます。
またスタイルが決まっていると、人から想われる自分のイメージを定着させやすいというメリットもあります。
●自分のスタイルを持つこと(定番のスタイルで揃える)
自分のなりたいイメージと自分に似合う服、色を組み合わせて、「私はこんなイメージ」というスタイルを作り上げます。
例えば、「プラダを着た悪魔」でモデルになったヴォーグの編集長であるアナ・ウィンターはいつでも髪型はボブ。アクセサリーは大ぶりのネックレスが1つが定番。そして足元はベージュのパンプス。
よ〜く見ると年によって若干のマイナーチェンジはしているけれども基本スタイルは変わらない。
だから、アナ・ウィンターはこんな感じ!と誰もが頭の中でイメージしやすい。
こんな風に自分に似合ったスタイルを決められるのが最終目標だと思うのです。
服は少ないけれども、素敵な女性に見せるポイント
服は自分が決めたテーマに沿って10着揃えれば大丈夫です。
10着を丁寧に着るので、質の良いものを選んで、手入れをして着ます。
そしてこの本の醍醐味は服だけではありません。きちんとした生活をすることで、素敵な女性になるのです。そのための要素がたくさん詰め込まれているのです。
例えば食べ物に関してだけでも、こんなことを生活に取り入れます。
【フランスのマダムになる:食事編】
●食べる喜びを我慢しないけれど、間食はしない
●歩きながら、運転しながら物を食べない
●盛り付けを美しくする
●食事をするときは、食事に集中する
●体に良いものを食べる
読んでいただければわかると思いますが、物をたくさん買うのではなく、必要なものを必要なだけ買って、しっかり使う生活なのです。
そしてオシャレでないことはしない。普段はフットワーク軽く、姿勢良くキビキビ歩く。パジャマで家をウロついたりしない。朝食を食べる前に洋服へと着替える、などです。
ぐ〜たら生活の私には1つ1つがグサグサッと心に突き刺さりました。
洋服だけでなく、自分自身の生活スタイルが原因で魅力がなくなっていたんだ!と気づけたのです。
きちんと生活できる人ってすごいです。幼少期に身につけられた人は本当に幸せ。自分の生活を大人になってから「きちんと」するのは、並大抵の努力ではできないと思います。
一度当たり前になってしまったことを変えるのってすごく難しい。しかし、「きちんとする生活」が少しずつ当たり前になれば、きっと息を吸うように当たり前にできる日がいつか来るのだと思います。
まずは、少ないけれども自分が素敵だと思うものを大切にすることから始めてみようかな、と思えました。
実際にミニマリストを目指して物を減らしていて感じることは、「物を大切にするようになった」ということです。
洋服が床に散らばっていた頃は、平気で洋服を踏んだりしていましたが、今では洋服が散らばらないので踏んだりしないです。ジャケットやワンピースをきちんとハンガーにかけるようになりました。
靴も1週間に1度は手入れするようになりました。
私の場合、物を大切にすることは、物が少ないからこそできることなのです。
「フランス人は10着しか服を持たない」は「素敵な女性」と言われたい女性にとっては、読んでおいて損はない本だと感じました。
そしてパリジェンヌになりたい方は是非読んでみてください。
フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質”を高める秘訣~