遺伝性乳がんと卵巣がん アンジェリーナ・ジョリーの決断

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2013年に米国の女優アンジェリーナ・ジョリーが乳がんの予防をするために、予防的手術を行ったことは日本でも多くのマスコミが取り上げました。私たち女性にとってはかなり衝撃的な事実でした。

しかし同時にアンジェリーナ・ジョリーは、自身の家系が遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)であること。そして彼女自身にも原因遺伝子に変異があることを公表しています。

将来乳がんになるリスクは87%、そして卵巣がんになるリスクは50%あると担当医に告げられたそうです。

臓器の予防的な切除には賛否両論ありましたが、私はこのニュースで初めて予防的切除という選択肢があることを知りました。

Youtubeで見る

 

家族性がんと遺伝性がん 癌の家系って言われるけど本当?

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日本では男性の60%、女性の45%が一生のうちに癌にかかると言われています。

癌は遺伝子の変異が積み重なって発生する病気です。遺伝子の変異とは、細胞が傷ついた状態です。

細胞が傷つく原因としては、①生活習慣によって発がん性物質の影響を長期間受けた場合、②生まれつき持っている遺伝による場合などがあります。

実際にほとんどの人が癌になる原因は①によるものです。

 

「我が家は癌の家系だから」という話を一度くらいは聞いたことがある方も多いと思います。「家族性がん」という言葉があります。

「家族性がん」は家系内に同じ臓器のがんにかかった人が何人もいる場合です。家族性がんにはその家系が癌にかかりやすい要因が3つ考えられます。

1.生活習慣(喫煙、飲酒、食事など)

2.環境(紫外線、放射線、ウィルスなど)

3.遺伝(生まれつきの特定の遺伝子変異)

家族性がんの大部分は1と2の環境が大部分の原因を占めています。

一方、遺伝性がんは3の場合のみを指すのです。

 

遺伝性がんの特徴 遺伝性乳がん・卵巣がんとは?

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遺伝性がんには次の特徴があります。

①同じ臓器のがんにかかった人が家系に何人もいる

②若い年齢でがんにかかった人が家系にいる

③一人で何度もがんにかかった人が家系にいる

この条件を満たしている場合には遺伝性がん家系である可能性があります。

 

では、具体的に遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)についてはどうでしょうか。

HBOCは両親のどちらかの生殖細胞にある遺伝子変異が原因となっています。

日本では12人に1人(約8%)の女性、毎年6万8000人が乳がんと診断されています。これは50年前に比べると6倍の数字になります。

乳がんの患者のうち、2〜5%が遺伝性がんであり、そのほとんどが遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)であると言われています。

このように、HBOCは必ずしも乳がん患者全体の大多数を占めるわけではありませんが、一定数いるということなのです。

 

遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)の診断基準も紹介します。

<HBOC診断基準>

1. 第1度近親者に、発端者を含めて3人以上の乳がん患者がいる場合
第1度近親者:親、子、兄弟姉妹
発端者:家系内で医学的関心を引く発端となった人

2. 第1度近親者に、発端者を含めて2人以上の乳がん患者がおり、いずれかの乳がんが次のどれかを満たす場合
(a)40歳未満の若年発症
(b)両側乳がん(同時性または異時性)
(c)他臓器重複がん(同時性または異時性)

上記1,2のどちらかを満たし、かつ家系内に卵巣がん患者を認めた場合(卵巣がん患者数は問わない)

(女性なら知っておきたい「遺伝性がん」のこと P60より)

ほとんどの乳がんの原因は環境だということ

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私は以前は、乳がんはほとんど遺伝によるものだと思っていました。誰にそう言われたのか、新聞やテレビで見たのか、原因となった事を覚えてはいないのですが、乳がんは遺伝だと思い込んでいました。

アンジェリーナ・ジョリーの遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)を知った時も、私の家系には乳がんが一人もいないので大丈夫だと思っていました。

しかし、最近また乳がんがニュースで取り上げられるようになり、改めて遺伝性の乳がんについて調べてみたところ、実際に遺伝性の乳がんの割合は非常に低いということがわかりました。

乳がんの発症自体は女性の12人に1人という決して少なくない数字、そしてその中で遺伝性の乳がんは5%以下です。

ほとんどの乳がん患者は生活習慣などの環境によるものだと知りました。

乳がんは遺伝だから大丈夫だと思っていた過去を反省して、これからは食生活に気をつけたり、定期的に検診をすることが大事だと思いました。思い込みって本当に怖いです。

もし自分は乳がんの家系ではないから大丈夫!と私のように思い込んでいる方がいたら、乳がんのほとんどは環境によるものだということを知って欲しいと思いました。

そしてもし自分が遺伝性の乳がん・卵巣がん家系かもしれない、という方がいたら、近くの乳腺科や婦人科ではなく遺伝性がんの専門外来があるそうなのでそちらに行ってみることをお勧めします。

「家族性腫瘍外来」「がん予防外来」「がんの遺伝外来」という名称の外来になるそうです。

お医者さんは専門家です。専門家であるがゆえに、専門以外は結構知らないお医者さんも多いです。最近では結核の患者が減ってきていて、結核は結核専門医に診てもらわないとわからないケースも増えているそうです。

お医者さんも専門の方を選ぶということもとても大事なことです。

 

最後に今回の勉強した本を紹介します。

参考文献

遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)についてより詳しく知りたい方は是非読んでみてください。

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