
マルチタスクは実は仕事をする上で非効率という話を以前ブログでも紹介しました。
マルチタスクとは同時に複数の事をこなすことです。メールを見ながら電話をして、更に報告書まで書くようなことです。
仕事が終わらないのは仕事が多いからでも周りが邪魔をするからでもなく、マルチタスクが癖になっているからだという話を紹介します。
マルチタスクのデメリット
マルチタスクは同時に複数の事をこなすため、一見効率よく物事を進めているように見えます。
マルチタスクはやっている自分自身も、そしてそれを見ている周りも、仕事をしている感、頑張っている感を感じてしまうため、勘違いしやすいのです。
マルチタスクのデメリット
■クオリティが低くなる
■頭の切り替えが多いため、摩擦が多くなり疲れてしまう
実はマルチタスクは、シングルタスクに比べるとかなりクオリティが下がってしまうという実験データがあるそうなのです。
例えば2枚の紙を用意します。左の紙に足し算を50問書き、右の紙に引き算を50問書きます。
①左の紙の足し算を全部終えてから右の紙の引き算を50問解く場合
②左の紙の足し算を1問終えたら、右の紙の引き算を1問解く。それを交互に繰り返す場合
①と②を比べた場合、①の方がすべての問題を終える時間も正解率も高いということが分かっています。
もし足し算と引き算だけでなく、掛け算と割り算も一緒に行ったらどうでしょうか。
全ての問題をランダムに解いていくよりも、足し算を終わらせてから引き算を終わらせ、それから掛け算を終わらせて割り算を終わらせるという順番の方が私たちはきっと早く終えることができますし、集中力を持続させることで正解率も高くなるだろうことが想像つきます。
実は複数の事を行うマルチタスクは、厳密にいうと複数のことを同時に行っているわけではありません。
短い間に頭の中で考えている内容を何度もスイッチさせているだけなのです。
この頭がスイッチを行う度に集中力が途切れます。そしてスイッチさせればさせるほど頭は疲れてしまうのです。
スイッチが多ければ多いほどIQがどんどん下がっていくと言われています。
マルチタスクの本当の問題と集中力
マルチタスクのデメリットを2つ挙げました。
それ以上に問題とされているマルチタスクの問題があります。
それはマルチタスクに中毒性(依存性)があることです。
マルチタスクは癖になります。気づかずにマルチタスクを選択することで、仕事がなかなか終わらないという事態になっていることが多いのです。
報告書を書くつもりが、Yahooニュースをちょっと見た、Lineやメールをチェックしていた、など複数のことに意識が分散してしまっていませんか?
私は自分が仕事が終わらないのは、仕事が多いからだと思っていましたが、自分自身がマルチタスクをしてしまい集中力が途切れているために効率が下がり、仕事が終わっていないのだということに気付きました。
実は人が何かに集中し始めて、フローと言われる周りが見えなくなるくらいの集中状態に入る場合、20分ほどの時間がかかるらしいのです。
意識を違うことにスイッチするたびに、集中力が途切れ0の状態に戻ります。それからまたフローに入るのに20分かかるのです。
フローに入ると素晴らしい速さとクオリティで仕事をこなすことができます。
マルチタスクをするとスイッチが多くてフローに入れないため、仕事も遅いしクオリティも低いという残念な事になる訳です。
マルチタスクへの2つのアプローチ
シングルタスク(1つの事柄しかしないこと)が一番最強です。
とはいえ、現代の社会の中でマルチタスクをしないわけにはいかない場面も多くあります。
家族や友人に話しかけられたり、職場の同僚に話しかけられたりする場合だってあります。
お客さんから電話がかかってくる場合だってあります。
なかなか自分が決めたスケジュール通りにシングルタスクだけをやる訳にもいかないという事情もあります。
その場合にお勧めなのがネオマルチタスクという考え方です。
これはマルチタスクをする時間帯、そして周りが邪魔をしても良い時間帯を決めるのです。
ネオマルチタスクの2つのアプローチを紹介します。
①周りが邪魔をしても良い時間帯を決める
②マルチタスクをする時間帯を決める
①の方法は企業でも取り入れられていることが多いです。
トリンプという企業では、午前中は会社内で誰かに話しかけない集中タイムと決めて、集中して自分の仕事をこなすようにする仕組みを実施していることが以前有名になりました。
このように例えば、13時~15時までなら話しかけてもいいよ、と周りに伝えておくわけです。
余程の緊急時の場合以外はこの時間帯のみ周りに対応します。
②のマルチタスクをする時間帯を決めることについては、夜がお勧めです。
どうしてもYoutubeを見たい、Yahooニュースを見たい、Lineでメッセージのやり取りをしたい、メールをチェックしたいなどマルチタスクをしたい時間帯があります。
アウトプットのクオリティを上げるにはシングルタスクが望ましく、できれば午前中に行った方が良いです。
逆にインプットはマルチタスクでも記憶に残すことができやすいので、午後行うことがお勧めです。
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仕事だけでなく、家族と接するのもシングルタスクで行うと人間関係を更に強化できるのでお勧めです。
また食事も集中することで食べ過ぎを防ぐことや満足感を得ることが可能です。