
最近ではもう定番になりつつある、糖質制限健康法・ダイエット法についてです。
話題の「ケトン体が人類を救う」がが気になったので、読んでみました。
感想とレビューを書いてみたいと思います。
著者である宗田哲男さんは、糖尿病の妊婦さんへの糖質制限管理で成果を上げているお医者様です。
専門は産婦人科です。
実はこの宗田さん自身も糖尿病だったらしいのです。
患者さんだけでなく、自身でも糖質制限をされていたのです。
そして産科での経験を活かし、妊婦や胎児、乳児のケトン体値を測定し、今回本を執筆されています。
「ケトン体が人類を救う」は実体験に基づいた本だと言えるのです。
ケトン体とは?
ケトン体とは、人が糖質を取らなかったときに、人の身体が身体の中の脂肪を分解して栄養にします。その時に出てくる物質がケトン体です。
詳しく言うと脂肪酸ならびにアミノ酸の代謝産物です。
お腹にいる赤ちゃんは皆、お母さんが糖質制限をしているしていないに関わらず、血中のケトン体濃度が高いというデータが出ているそうです。
そして生まれてきてすぐの赤ちゃんもケトン体濃度が高いらしいのです。
つまり赤ちゃんにとってはケトン体は重要だということです。
現在の栄養学の間違った神話
現在私たちが信じている栄養学には、根拠のない6つの間違った神話があります。
①カロリー神話
②バランス神話
炭水化物を60%とった方が良い、という根拠のないパーセンテージ。
③コレステロール神話
④脂肪悪玉説
⑤炭水化物善玉説
⑥ケトン体危険説
これについて、著者はどこがおかしいのか具体的に「ケトン体が人類を救う」のなかで説明しています。
これにも説得力がありました。
ケトン体への認識を改める
人の身体には2つエンジンがある、というのが著者の主張です。
・ブドウ糖エンジン
・ケトン体エンジン
ブドウ糖を取らなければ、身体は自然とケトン体値が上がります。
ケトン体は人の基本的なエネルギー源であり、ケトン体値が高いことは、異常でもなんでもないことなんだ、という考え方なのです。
「ケトン体が人類を救う」で知った事実
「ケトン体が人類を救う」の中にある、日本医学会の学会発表での経緯が面白かったです。
実際に著者が実践した内容を学会で発表するのですが、糖尿病の専門医と産婦人科医で反応が全く違うことが書かれています。
医者の世界は本当に専門に分かれていて、専門外のことになるとほとんど知識がないものなのだなと、驚いてしまいました。
また人間の食生活の推移についても触れていますが、日本人は意外と米を食べていなかった、という話が面白かったです。
最後にこの本は、妊娠糖尿病の方が著者の病院へ行くための、いわば著者の病院へのPR本だと思います。
特に妊娠中でも糖尿病でもない私にとっては、胎児がケトン体から栄養を摂取しているといういう事実、そして日本の医学会の話を「へー」と読んでみる、という本でした。
参考になれば嬉しいです。